2011年新聞・テレビ消滅 (文春新書)

何とも衝撃的なタイトルである。
今まで慣れ親しんできたテレビが
本当に消滅してしまうのだろうか。

そう思う一方で、いつの間にかほとんど
テレビを観なくなっている自分がいる…

この本は何も既存のメディアが倒壊していくのを
喜んでいるわけではない。
きわめて冷静に状況を分析していくと
そういう結論に導かれるというだけのことだ。

だから読みようによっては、
これは救済の書にもなりうると思う。

マスメディアを日々浸食してゆく
インターネットを毛嫌いするのではなく、
大いに利用してゆく方向に切り替えたら、
規模の縮小は余儀なくされるだろうが、
本書の中に、十分に生き残る道のヒントは
示されていると感じた。(以下、引用)

そう、マスメディアが神である時代は
もう終わったのだ。
でもいまだにマスメディア業界の
多くの人たちは、それに気づかないでいる。
いや、気づいているかもしれないけれども、
それに目をふさごうとしている。


ある広告代理店幹部は、
私にこんなエピソードを披露してくれた。
「広告の効果を徹底的に測定していこうと
いうことになりマスメディアとインターネットの
広告効果をそれぞれ測定したら、
その会社の商品に関してはテレビの広告は
実はほとんど効果がなかったという結果が
出てしまったことがある(後略)」


ネットのアンケートではM1層
(20才から34才までの男性)は
5割が新聞を読んでいないという結果が
明確に現れているのにもかかわらず、
定性調査のインタビューではほとんどの人が
「新聞は読んでいる」と答えているのだ。


コンピュータの時代がやってくれば
紙のマスメディアが成り立たなくなる
なんていうことは、実はアメリカでは
もう何十年も前から予測されて議論されていたが
これまで「こうすれば生き延びられる!」という
結論が出たという話は一度も聞いたことがない。


2008年秋には中間決算で
日本テレビが37年ぶり、
テレビ東京は33年ぶりに赤字転落した。
この状況はその後もまったく好転せず、翌09年
4月にテレビ朝日が17億円の最終赤字に転落。
開局以来初、という事態である。


HDR(ハードディスクレコーダー)の利用者が
録画した番組を見るとき、テレビCMを
すべて飛ばしてしまう人は約23%。
過半数の人は8割以上のCMを飛ばしていた。
平均してCMのスキップ率は64%ぐらいで、
ここから計算するとHDRはテレビCM市場の
なんと2.6%、540億円もの損害を
与えてしまっているという。


もし新聞やテレビがくだらない記事と
俗悪な番組を垂れ流し続けているんだったら、
とっとと退場してもらっていい。
そのかわりに、私たち自身が一生懸命考えて、
新しいメディアを作っていけばいいのである。

本書で紹介されている
新聞に代わる(?)ネット折り込みチラシ

シュフー Shufoo! くらしとちらし

広告チラシ(ちらし)のタウンマーケット

関連書籍

まんが王国の興亡
なぜ大手まんが誌は休刊し続けるのか
中野晴行・著


メディア裏支配―語られざる巨大マスコミの暗闘史
メディア裏支配―語られざる巨大マスコミの暗闘史
おすすめ平均
stars新聞社のダメなところあり
stars興味深い書ではあるが、後半でちょっと筆がすべっていると思う箇所を発見した。
starsこんなことバラした著者はタダではすまないんじゃないの
stars日本の裏とメディアの裏
starsメディアの新規参入を阻むものとは?

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

参考ブログ

【マスメディア終わりの始まり】「2011年新聞・テレビ消滅」佐々木俊尚:マインドマップ的読書感想文

【目次】(「BOOK」データベースより)

第1章 マスの時代は終わった
(「マス」の消滅/
「大衆」から「少衆・分衆」へ ほか)

第2章 新聞の敗戦
(ミドルメディアで情報大爆発/
広告業界はテクノロジー化する ほか)

第3章
さあ、次はテレビの番だ
(開局以来の赤字転落/
完全地デジ化と情報通信法 ほか)

第4章 プラットフォーム戦争が幕を開ける
(グーグルは敵だったか/
ネットユーザーを唖然とさせた毎日新聞 ほか)
2011年新聞・テレビ消滅 (文春新書)
2011年新聞・テレビ消滅 (文春新書)
文藝春秋 2009-07
売り上げランキング : 982

おすすめ平均 star
star独自の視点のなさ
starメディアプラットフォームの崩壊が始まる
star新聞やテレビのビジネスモデルは成り立ちにくくなっているのかもしれない

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

ブログランキング参加中です。
励ましのクリックをよろしくお願いいたします!
ブログランキングブログランキング【くつろぐ】ブログランキング・にほんブログ村へ



ブログパーツアクセスランキング